Kocco’s blog

イギリス生活、美術教師、ロックダウン、妊娠

2020年の幕開け

2020年、年明け。彼の実家、スコットランドで新年を迎える。

 

初詣ならぬ初登り。彼のお父さんが車で連れてってくれた。

 

助手席には彼のお母さん。時々政治の話になり、もっと予備知識がないと英語でまともな発言もできないなあ。。なんて不甲斐ない思いが巡るとすぐに私は窓の外を眺め緩やかな小麦色の丘と青空のコントラストを楽しむことに集中した。

 

到着し車のドアが開くと早速後部座席で身動きの取れなかった二匹のラブラドールは水を得た魚のように車を飛び降りてくるくる回って喜んだ。みんなでゆっくり丘を登り始める。緩やかに高くなって行くのはわかるけれど頂上を目指しても歩けば歩くほど奥行きがどんどん奥へと広がっていく。高い木々もなく方向も距離感もつかめているはずなのに、風景がどんどん奥へと進んで行くような山の感覚は初めてだった。

 

目的は頂上、ではなくその麓にある湖。顔の表面もパキッと引き締まるような気温、湖の表面もパキッとしていた。この季節のこの瞬間を見つめている。私は移り変わるこの山の表情を見届けることはできないのかもしれないな。3月末に迫ったワーキングホリデーVISAの期限。自分のいる場所に賞味期限があるような感覚。一年後の自分はどうしているのだろうという不安とぼんやりとした計画が私が全身で進んで行く先をぼやかした。