Kocco’s blog

イギリス生活、美術教師、ロックダウン、妊娠

予定日前日、そういえば。

予定日前日、もう二人でゆっくりレストランに行くこともなかなかできなくなるのだからいまを楽しんで来たらいいじゃない。とパートナーヘンリーのお母さんにひと押しされて、近くのレストランで二人きりのディナーデートにやって来た。近隣の人から車を走らせてまで駆けつける人もいるという愛されレストラン。メインのシェフが変わってから生き返ったように評判を取り戻したらしい。外は夕陽がオレンジ色にとても眩しくブラインドのシマシマがヘンリーの顔一面を纏った。私はそこでSticky Toffee pudding を頼んだ。デーツの香りとしっかりコクのきいたキャラメルのケーキ。一口目でファンになった。私は話しながら去年末のクリスマスの時期にもこのレストランにきたことを思い出したりしていた。

 

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凍えるくらいパリッと寒い夜、レストランで食事とアルコールをすませ歩いて家に戻る途中、街灯もなく真っ暗田舎道の真ん中で空を見上げては一面の星空に息を飲んで火照った。自分の家族が住む街は、私の大切なものでいっぱいの母国はいったい本当はどれくらい遠いのだろう。単位や数字以上に実感したい衝動にかられた。その時私たちはなぜか遠くの将来に目をやりたくなる気分になって子供の話をしていた。“地球は人で溢れてる。人口が増えれば二酸化炭素は増えるし、環境にいいことなんてない。俺は子供はいらなない、人間は命を作り出すことについて慎重に考えるべきだと思うんだ”なんて得意の力説を聞かされた後私はぎゅうっとお腹が痛くなったことを覚えている。それは今思えば綾杏が宿っていたお腹だったのだ。彼女は私のお腹を、しっかり出しなさい!と蹴ったのかもしれない。